髙橋夏樹

本書のテーマはあくまで進化ですが、ワグナー教授は最終章で、生命の新しい能力の出現は人間の技術革新「イノベーション」にも通じていると指摘します。その共通点とは、以下のようなもの。

 

・無数の試行錯誤を行なうこと
・1人の天才の仕事ではなく、集団で解決策の順列を探索していくこと
・似たような問題には、必ず複数の解決策があること
・すでにある古いものを転用して、新しい解決策にすること

 

実例としてあげられるのが、コンピューターのプログラム回路です。プログラムの回路には、同じ計算を行なうために様々な解決プログラムがありえます。それを数え上げることは、ワグナー教授が進化のシミュレートで行なったことに極めて似ているというのです。

進化論に残されていた突っ込みどころ
『進化の謎を数学で解く』

関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entries/2015/04/13