2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

孔子

季路 鬼神に事(つか)うるを問う。子曰く、未だ人に事うる能わずんば、焉んぞ能く鬼に事えん、と。曰く、敢えて死を問う、と。曰く、未だ生を知らずんば、焉んぞ死を知らんや、と。 『論語』(p.249)

カミュ

(…)生きるための理由をあたえれくれるからといって、さまざまな観念のために、というか幻想のために殺しあいをするという自己矛盾を犯している多くの人びとを、ぼくは知っている(生きるための理由と称するものが、同時に、死ぬためのみごとな理由でもある…

利根川進

――脳研究は急速に進歩しています。2045年には人工知能が人間の能力を上回り、人類の脅威になるとの意見もあります。「45年問題」をどう考えますか。 「人工知能は大きな問題になってくるだろう。人間というのはできることはなんでもやる。脳が欲している。人…

スティーブ・ウォズニアック

ウォズニアック氏はFreescale Technology Forum 2015で講演し、「人工知能が我々よりも賢くなれば、彼らにとって我々が必要なものであることに気付くだろう」と述べたという。また、人工知能が人類を支配するだけの能力を獲得したときには、自然を保護するこ…

パスカル

各人の支配的な情念を知っていれば、その人に気に入られること請け合いである。ところが各人は、幸福について持っている観念そのもののなかに、自分自身の幸福に反するような、かってな考えを持っている。これは桁はずれに奇妙なことである。 『パンセ』断章…

松尾芭蕉

物言えば唇寒し秋の風 『芭蕉庵小文庫』 参照:http://kotowaza-allguide.com/mo/monoiebaakinokaze.html

渡辺政隆

生物の進化史は、役者の顔ぶれを変えつつも、役柄の陣容に関してはきわめて保守的である。太陽のエネルギーを生活の糧にしている植物プランクトンや植物にあたる役から、それらを食べる草食動物、それを食べる肉食動物という役が、どの時代、どの場所の生態…

V・E・フランクル

そもそも神については語りえず、ただ神に向かって語りうるのみではないか、と言われるが、これは全く疑問である。われわれは、ルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタインの「語りえないものについては沈黙せねばならない」(whereof one cannot speak,thereof on…

高橋恒一

時期ははっきりとは言えませんが、10年後以降、人工知能はもう1つの大きな壁に挑むことになるかもしれません。それは「言語獲得」の壁です。言語処理のための優れた人工知能技術の開発はこれまでも成されてきましたが、本当の意味で言語の意味を理解し、運用…

高橋恒一

たとえば人間の持つ「感情」について考えてみましょう。私たちは、「気分がいい」という理由で楽しい行動をとります。逆に気分がよくなければ、気分をやわらげるような行動をとります。一体なぜでしょう? この時に脳でどんなことが起こっているのかを考えて…

半藤一利

「指揮官は自分が責任を持てないような命令をしてはならない」と山本五十六は言っています――これは上に立つ人間の基本の考えです。 『あの戦争と日本人』(p.245)

吉田兼好

また云はく、「されば、人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや。愚かなる人、この楽しびを忘れて、いたづがはしく外の楽しびを求め、この財(たから)を忘れて、危ふく他の財をむさぼるには、志、満つ事なし。生ける間、生を楽し…

スピノザ

自分は、自分の精神の自由な決意にしたがって、何かをしゃべったり、黙っていたり、その他等々のことをしていると信じているものは、目を開けながら夢を見ているにちがいないのである。 『エチカ』 参照:http://philosophy.hix05.com/Spinoza/spinoza05.hum…

長谷部恭男

調整問題状況とは、大多数の人が取るような行動にあわせて自分も行動しようと大多数の人が考える状況のことである。道路の交通規則からはじまって手形の振出し方や国会議員の任期にいたるまで、世の中には、一定の範囲内でどう決まってもさして変わりはない…

小坂井敏晶

こんな例がわかりやすいだろう。火事だと誰かが叫び、劇場でパニックが起きる。踏みつぶされないようにと、誰もが逃げ道を探す。しかし、人間の雪崩を生み出しているのは、まさしくその逃げ惑う人々自身だ。皆が逃げるからこそ、誰もが逃げられないという逆…

エミリアーノ・クリスティアーニ

「数学では、群れは“自己組織化するシステム”として表現されます。群れは、多くの数の『動作主』で構成されるグループで、動作主たちは単純な規則に従い、個々の動きは最も近くの動作主の動きによって影響を受けます。通常は、動物と関連付けられる態度です…

小林秀雄

人間は何かである事を絶えず拒絶して、何かになろうとしている。 「『罪と罰』についてII」

埴谷雄高

すべてを捨て去り得ても、「満たされざる魂」が求めに求め、さらに求めつづける標的たる自分でない自分に絶えずなろうとしつづけるところの無限大の自由だけはついについに捨て去り得ない。 『死霊Ⅲ』(p.208-209)

フロイト

人間通の人々や哲学者たちは以前から、人間の知性を独立した力として評価するのは間違いであり、知性が感情的な生に左右されること見逃してはならないことを、教えてくれているのである。人間の知性の働きを信頼できるのは、強い感情の支配の動きにさらされ…

中村元

考えて見れば、足るを知ること、すなわち自分の持ち分に満足して喜びを見出すということは、だれにでも可能な〈幸せへの道〉であると言えよう。原始仏教、老子、ストアの哲人たちによって、古代のほぼ同時代――多少の年代的な前後のずれはあるが――に説かれた…

芥川龍之介

完全なるユウトピアの生れない所以は大体下の通りである。――人間性そのものを変えないとすれば、完全なるユウトピアの生まれる筈はない。人間性そのものを変えるとすれば、完全なるユウトピアと思ったものも忽ち不完全に感ぜられてしまう。 「ユウトピア」/…

アーサー・C・クラーク

すべての人に絶えず満足を与え続けるユートピアなど存在しない。物質的な環境が改善されれば、人はさらに上を望む。かつては夢のまた夢でしかなかった力や財産にすら物足りなさを感じるようになる。そして外界に求められるものをすべて手に入れたあとでも、…

夏目漱石

木瓜(ぼけ)は面白い花である。枝は頑固で、かつて曲った事がない。そんなら真直かと云うと、けっして真直でもない。ただ真直な短かい枝に、真直な短かい枝が、ある角度で衝突して、斜に構えつつ全体が出来上っている。そこへ、紅だか白だか要領を得ぬ花が…

ゴータマ・シッダールタ

143 究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきことは、次のとおりである。能力あり、直く、正しく、ことばやさしく、柔和で、思い上ることのない者であらねばならぬ。 144 足ることを知り、わずかの食物で暮し、雑務少く、生活もまた簡素であ…

コンラート・ローレンツ

私は自然科学者であって、芸術家ではない。だから私にはまったくなんの自由も「様式化」も許されない。しかし、動物がいかにすばらしいものであるかを読者に物語ろうとするとき、このような自由はすこしも必要ではない。むしろ、動物の話を書くときにも、厳…

ランボー

俺の精神よ、気をつけろ。過激な救いにくみするな、鍛錬を積む事だ。――ああ、科学は俺達の眼にはまだるっこい。――だが、どうやら俺の心は眠っている様だ。俺の精神が、この瞬間から絶えずはっきりと目覚めていてくれるものとしたら、俺達はやがて真理に行き…

洪自誠

静中の静は真静にあらず。動処に静にし得来たりて、纔(わず)かに是れ性天の真境なり。楽処の楽は真の楽にあらず。苦中に楽しみ得来たりて、纔かに心体の真機を見る。 静かなところでしか保てないような心の静けさは、ほんとうの静けさではない。目まぐるし…

道元

生死(しょうじ)の中に仏あれば生死なし。又云く、生死の中に仏なければ生死にまどわず。こゝろは、來山(かつさん)・定山(じょうざん)といはれしふたりの禅師のことばなり。得道の人のことばなれば、さだめてむなしくまうけじ。生死をはなれんとおもは…

ジュリオ・トノーニ

意識を生み出す基盤は、おびただしい数の異なる情報を区別できる、統合された存在である。つまり、ある身体システムが情報を統合できるなら、そのシステムには意識がある。(126頁、第5章) 『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』 参照:htt…

shorebird

本書は進化心理学者ロバート・クツバンによるヒトの心のモジュール性,そしてそれによる道徳と偽善の説明の本である.ヒトの心がモジュール的であるというのは,進化心理学勃興時から強調されていたことで,コスミデスとトゥービイがこれをスイスアーミーナ…