2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

埴谷雄高

私個人ついていえば、私は『大審問官』の作者から、文学が一つの形而上学たり得ることを学んだ。そして、その瞬間から彼に睨まれたと言い得る。私は彼の酷しい眼を感ずる。絶えざる彼の監視を私は感ずる。ただその作品を読んだというだけで私は彼への無限の…

ベルクソン

無限の可能性をはらんだ未来の観念が、未来そのものよりも豊饒なのであって、所有よりも希望に、現実よりも夢に、いっそう多くの魅力が見出されるのは、そのためである。

ゲーテ

理論的意味での絶対なものについて、私は敢えて語ろうとは思わない。しかし、現象の中に絶対なものを認めて、それから常に目を離さぬ人は非常に大きな利益をうけるだろうと、主張することはできる。 (「格言と反省」)

小林秀雄

耳もとで誰かがささやく、――何故お前はもっと遠い処に連れて行って貰わないのか。お前の考えている幸福だとか不幸だとか、悲劇だとか喜劇だとか、なんでもいい、お前が何かしらの言葉で呼んでいる人生の片々は、お前がどんなにうまく考え出した形象であろう…

ベストトラック10

1. mogwai 「2 Rights Make 1 Wrong」 [2001] 2. Squarepusher 「Iambic 9 Poetry」 [2004] 3. eastern youth 「踵鳴る」 [2001] 4. Aphex Twin 「Avril 14th」 [2001] 5. Boards Of Canada 「Chromakey Dreamcoat」 [2005] 6. The Chemical Brothers 「Star…

ベストアルバム10

1. Radiohead 『Kid A』 [2000] 2. Various Artist 『極東最前線』 [2000] 3. Coldplay 『Parachutes』 [2000] 4. fOUL 『Husserliana 』 [2001] 5. Number Girl 『SAPPUKEI』 [2000] 6. Primal Scream 『XTRMNTR』 [2000] 7. Tool 『Lateralus』 [2000] 8. …

マルクス

人間は自分自身の歴史を作る。だが、思うままにではない。自分で選んだ環境のもとでではなく、すぐ目の前にある、与えられ持ち越されてきた環境のもとで作るのである。死せるすべての世代の伝統が夢魔のように生けるものの頭脳を押さえつけている。 (『ルイ…

小林秀雄

人の心は問題の解決をいつも追っているかも知れぬが、矛盾の解決によって問題を解決しようとは必ずしも希ってはいない。生活意欲というものは寧ろ問題を矛盾したまま会得しようと希っているし、事実それを日々実行している。この根強い希いが芸術を生み、こ…

埴谷雄高

さて、ところで、政治的立場の自由を主張した私自身の政治的立場は、非政治的であった。私はそんな自身が屡々滑稽になるが、もしこんな表現が許されれば、私は政治的無活動の自由をネガティヴな形で主張したことになる。私の態度は、古きギリシヤの懐疑派の…

ランボー

――ああ、何と寄る辺もない俺の身か。完成へと燃え上る想いの数々を、俺はもうどんな聖像に献(ささ)げても構わない。 ああ、俺の自己抛棄と見事な愛、だが、下界は下界だ。 深きところより、主よ、俺は阿呆だ。 (「地獄の季節」/小林秀雄訳) ※太字=原文…

ヴォルテール

神というものが存在しなかったら、「彼」を創造する必要があろう。 (「書簡」)

パスカル

神が存在するということは不可解であり、神が存在しないということも不可解である。 (『パンセ』)

埴谷雄高

――ところで、生れついてこの方絶えず外部からつき動かされている俺達が自らだけから発した意志、正真正銘の自由意志でおこなえることがこの人生に二つあるが、お前はそれがなんだと思うかね。 ――他のひとつは解りませんけれど、ひとつは古くから決っています…

ドストエフスキー

……やがて人々は、土の中から信じられぬくらいの収穫をひきだし、化学によって有機体を造りだし、わがロシアの社会主義者たちが夢みているように、牛肉が一人一キロずつ行きわたるようになるかもしれぬ。一口に言って、さあ飲め、食え、楽しめというわけだ。…

パスカル

人間とは、一体、何んという怪物であるか。何んという珍奇、妖怪、混沌、何んという矛盾の主、何んという驚異か。万物の審判者にして愚鈍なる蚯蚓(みみず)。真理の受託者にして曖昧と誤謬の泥溝。宇宙の栄光にして廃物。誰がこの縺れを解くだろうか。 無限…