理想

孔子

子の曰わく、これを道びくに政を以てし、これを斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民免(まぬが)れて恥ずることなし。これを道びくに徳を以てし、こてを斉うるに礼を以てすれば、恥ありて且(か)つ格(ただ)し。 先生がいわれた、「[法制禁令など小手先…

柄谷行人

ポストモダニストは、歴史のいっさいの理念を物語だといって否定した。つまり、理念は仮象だというわけです。しかし、それは別に新しい考えではない。そもそもカントは、理念は仮象だといっています。ただ、それは、感覚に由来するような仮象とはちがう。。…

ニーチェ

理想への路を見失った者は、理想なき人間よりも、軽薄に破廉恥に生きる。 (『善悪の彼岸』)

埴谷雄高

実際に実現したものはすべて夢を裏切ってるものなんですよ。 (埴谷雄高・独白「死霊」の世界)

小林秀雄

孔子やプラトンの考えた哲人政治が現代の政治の参考にならないということはなんのことでもない。それより、彼らの考えた政治は、いっぺんも実際に実現されなかったゆえんについて、よくよく考えてみた方が有益であろう。彼らの理想は死にやしない。人間の生…

ベルクソン

無限の可能性をはらんだ未来の観念が、未来そのものよりも豊饒なのであって、所有よりも希望に、現実よりも夢に、いっそう多くの魅力が見出されるのは、そのためである。

小林秀雄

耳もとで誰かがささやく、――何故お前はもっと遠い処に連れて行って貰わないのか。お前の考えている幸福だとか不幸だとか、悲劇だとか喜劇だとか、なんでもいい、お前が何かしらの言葉で呼んでいる人生の片々は、お前がどんなにうまく考え出した形象であろう…

ドストエフスキー

人間は良心の自由などという重荷に堪えられる存在ではない。彼らはたえず自分の自由とひきかえにパンを与えてくれる相手を探し求め、その前にひれ伏すことを望んでいるのだ。だからこそ、われわれは彼らを自由の重荷から解放し、パンを与えてやった。今や人…

池田晶子

ほんとうの哲学者ならば、社会革命くらいで気が治まるはずがないのだ、人は食わなきゃならないものだなんて、とっくに信じてやしないのだから。したがって、「世界を変える」ことなど、全然、手ぬるい。重要なのは、世界をすっかりチャラにすることである。…

ホラティウス

誰であれ黄金の中庸を喜ぶ者は、 廃屋の汚れから無縁であってつつがなく、 嫉妬のもととなる館からも、冷静に 無縁でいられる。 (『カルミナ(歌章)』)参考:http://www.kitashirakawa.jp/taro/lit14.html

ドストエフスキー

「私の結論は、私がそもそもの出発点とした当初の理念とまっこうから矛盾するにいたったのです。無制限の自由から出発しながら、私の結論は無制限の専制主義に到達したのであります。しかしながら、つけ加えますと、社会形態の問題は私の解決以外にけっして…

ドストエフスキー

「先日、モスクヴァで行なわれたドストエフスキイ氏の話は、おめでたい連中の間に、非常な昂奮を巻き起こした様子であるが、冷静に見れば、今度の演説も、要するに、この作者がこれまでさんざん説いてきた宗教的理想、個人の道徳的完成を言っているにすぎな…