2012-01-01から1年間の記事一覧

埴谷雄高

私は嘗て、一票を投ずることによって一日だけ主権者になることが絶えざる主権者とならないことの免罪符となる、と書いたことがありますが、現在は、一票を投ぜないことによって一日だけ否定者になることが絶えざる否定者とならないことの免罪符となる、とで…

松尾隆佑

選挙にできることは大したことではない.人々の利害をできるだけ的確に政治システム内部に反映させられるような,よりよい選挙のあり方を考えていくことは重要である.だが,もともと選挙にできることは限られているという点を忘れてはならない.「民意」は…

須原一秀

繰り返すが、人生は全体として、意味が有るものでも意味が無いものでもない。人生のある部分がある人にとって意味が有り、別のある部分はその人にとって意味が無いだけのことである。したがって、全体として一面的な判断などできるはずもないのである。それ…

南部陽一郎

今日では、SSB*1の原理は、物理学の基本法則は多くの対称性をもっているのに現実世界は何故これほど複雑なのか、を理解するための鍵となっています。基本法則は単純ですが、世界は退屈でない、なんと理想的な組み合わせではありませんか。 http://www.s.u-to…

デイヴィッド・J・リンデン

美徳と悪徳は神経から見れば一つであって、どちらを向こうとも、快感が私たちを導いていることに変わりはない。 『快感回路』 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/02/17/212534

ショウペンハウエル

世界がもし、真に考える生物にみちあふれていたならば、あらゆる種類の騒音が無制限に放任されているとはどうしても考えられないであろう。実際その無制限さは現在はなはだしく、もっとも恐ろしい無益な騒音までが野放し状態にあるのである。 『読書について…

カミュ

この世界はそれ自体としては人間の理性を超えている、――この世界について言えるのはこれだけだ。だが、不条理という言葉のあてはまるのは、この世界が理性では割り切れず、しかも人間の奥底には明晰を求める死物狂いの願望が激しく鳴りひびいていて、この両…

伊藤整

我々は神の代りに無を考えることによって安定しているのである。考える力がないのではない。考える必要を感じないでバランスを保っているのに過ぎない。無の絶対は神の絶対と同じように強いものである。 『近代日本人の発想と諸形式』

鴨長明

事を知り、世を知れれば、願はず、わしらず、ただ静かなるを望みとし、憂へ無きを楽しみとす。 『方丈記』

三好達治

ああ智慧は かかる静かな冬の日に それはふと思ひがけない時に来る 人影の絶えた境に 山林に たとへばかかる精舎の庭に 前触れなくそれが汝の前に来て かかる時 ささやく言葉に信をおけ 「静かな眼 平和な心 その外に何の宝が世にあらう」 「冬の日――慶州仏…

パスカル

理性は、まだ何も確実なものは見いだしえなかったということを告白する程度だけには理性的である。しかし理性は、確実なものに到着することをあきらめない。 『パンセ』(p.58) 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/20100820/1282299999 http://hi…

ライプニッツ

自然学者として論じるのではなく、形而上学者として論じると、一般にはあまり用いられていない大原理を使うことになる。その原理とは「何事も十分な理由なしには起こらない」、言い換えると「どんなことでもそれが起こったならば、十分ものを知っている人に…

山本常朝

人間一生誠にわずかの事なり。好いた事をして暮すべきなり。夢の間の世の中に好かぬことばかりして苦を見て暮すは愚かなことなり。この事は悪しく聞いては害になること故、若き衆など之は語らぬ奥の手なり。我は寝ることが好きなり。いよいよ禁足して寝て暮…

徳富蘇峰

真正の達人は、その限りあるを知れり。しかして独りこれを知るのみならず、限りあるに満足せり。彼らは絶望的に断念するにあらず、絶望的に放浪するにあらず、希望的に満足するなり。東坡が玲瓏観に登るの詩に曰く、「脚力尽くる時、山更に好し。限り有るを…

吉田兼好

思ふべし、人の身に止むことを得ずして営む所、第一に食ふ物、第二に着る物、第三に居る所なり。人間の大事、この三つには過ぎず。餓ゑず、寒からず、風雨に侵されずして、閑かに過すを楽しびとす。ただし、人皆病あり。病に冒されぬれば、その愁忍び難し。…

タゴール

われわれの魂が自己を実現しうるのは自己を放棄することによってのみである。 『サーダナ』

良寛

生涯 身を立つるに懶(ものう)く 騰々(とうとう) 天真に任(まか)す 嚢中(のうちゅう) 三升の米 炉辺(ろへん) 一束(いっそく)の薪(たきぎ) 誰か問わん 迷悟(めいご)の跡(あと) 何ぞ知らん 名利(みょうり)の塵(ちり) 夜雨 草庵の裡(うち…

ワーズワース

低く暮らし、高く思う。 (Plain living and high thinking)