2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

深見浩一郎

1762年、ルソーは著書の中で「いかなる市民も他の市民を金で買うほど豊かであってはならず、またいかなる市民も自らを売らざるを得ないほど貧しくあってはならない(*1)」と新しい平等のあり方を説いた。また、仏革命後公布された人権宣言では、「己の欲せざ…

武天老師

武道を習得するのはケンカに勝つためではなくギャルに「あらん♥あなたとってもつよいのね~ウッフーン」といわれるためでもない! 武道を学ぶことによって心身ともに健康となりそれによって生まれた余裕で人生をおもしろおかしくはりきって過ごしてしまおう…

アインシュタイン

もし、現代科学の側から考えて、我々の世界は必ずこうなっているに違いないとされることと、矛盾なくうまく折り合うことができる宗教があるとすれば、それは仏教であろう。 If there is any religion that could cope with modern scientific needs it would…

中西進

「まつり」とは、神がやってくるのを待ち受けることでした。神様をよぶためにさまざまなことを行ないますが、その一つが音楽で、古来、音楽を奏でることは神事でした。楽器とは、洋の東西を問わず、神降ろしの道具です。美しい音楽を聴いているとうっとりし…

長谷川英祐

協力しながら出し抜き合う。まったく、社会というものが存在するとヒトを含む生物の生活は単純ではなくなります。それというのも、進化においては、いかに多くの自分の遺伝子コピーを残すかが最大の問題なので、自分と異なる遺伝子をもつ個体と協力する限り…

伊丹万作

さて、多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えてだまされていたという。私の知つている範囲ではおれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。ここらあたりから、もうぼつぼつわからなくなつてくる。多くの人はだましたも…

和辻哲郎

一方において行為する「個人」の立場は何らかの人間の全体性の否定としてのみ成立する。否定の意味を有しない個人、すなわち本質的に独立自存の個人は仮構物に過ぎない。しかるに他方においては、人間の全体性はいずれも個別性の否定において成立する。個人…

ブレイディみかこ

保守党政権が進めている緊縮政策のせいで、ミュージシャンや俳優といった仕事は一部の恵まれた階級のものになり、アートが地べたから剥離したものになっている。というのはわたしも書いてきたし、紙版ele-kingのインタヴューでジャム・シティも語っていたこ…

メルロ=ポンティ

一言で言えば、我々は言葉を、それが発音される以前のところで、そしてそれに先行し、しかも今でもそれに伴い続け、それなしでは言葉も何ものも述べた事にならないだろうところの沈黙の<地>の上で、考察しなければならない。 『世界の散文』 参照:https://t…

加藤陽子

みなさんは、三〇年代の教訓とはなにかと聞かれてすぐに答えられますか。ここでは、二つの点から答えておきましょう。一つには、帝国議会衆議院議員選挙や県会議員選挙などの結果から見るとわかるのですが、一九三七年の日中戦争の頃まで、当時の国民は、あ…

小林秀雄

誰も、乱世を進んで求めはしない。誰も、身に降りかかる乱世に、乱心を以て処する事は出来ない。人間は、どう在ろうとも、どんな処にでも、どんな形ででも、平常心を、秩序を、文化を捜さなければ生きて行けぬ。 「鐔」/『人生の鍛錬』

カント

◇非社交的な社交性 自然が人間のすべての素質を完全に発達させるために利用した手段は、社会においてこれらの素質をたがいに対立させることだった。やがてこの対立関係こそが、最終的には法則に適った秩序を作りだす原因となるのである。対立関係(アンタゴ…

孟子

民を貴しと為し、社稷これに次ぎ、君を軽しと為す 『孟子』(盡心章句下)

パスカル

人間は、もし気が違っていないとすると、それは別の仕方で気が違っているとしか考えられないほどに気が違っているのである。(断章四一四) 『パスカル パンセ抄』 参照:https://twitter.com/PenseesBot/status/620980441865064448 関連:レヴィナス『存在…

上田閑照

黙って坐って、黙る。坐って沈黙を共にするということの中に、エックハルトが「神はそれ自身において無である」と言いましたその「無」、それをリアルに生きる、死んで生きる仕方がそこにあると考えることができると思います。 エックハルトは、「神は無であ…

ドゥルーズ

概念に欠けているのはひとつの爪である。絶対的必然性の爪、すなわち、思考に加えられる根源的暴力という、また奇妙さという、あるいはそれだけが思考をその自然的混迷とその永遠の可能性とから救い出す敵意という爪であるような一つの爪である。これほどの…

孔子

子貢問いて曰わく、何如(いか)なるをかこれこれを士と謂うべき。子曰く、己れを行うに恥あり、四方に使いして君命を辱しめざる、士と謂うべし。曰く、敢えてその次を問う。曰く、宗族(そうぞく)は孝を称し、郷党(きょうとう)は弟を称す。曰く、敢えて…

山本七平

だが、公害問題に取り組んだ人たちは、みな、まじめで真剣なのである。また昔の青年将校も、実にまじめで真剣であった。それは否定できない。だが、氏(引用者注:吉田信美)の言う通り「おっちょこちょい」なのである。なぜか、私はここで周恩来首相が田中…

山本七平

「空気」とはまことに大きな絶対権をもった妖怪である。一種の「超能力」かも知れない。何しろ、専門家ぞろいの海軍の首脳に、「作戦として形をなさない」ことが「明白な事実」であることを、強行させ、後になると、その最高責任者が、なぜそれを行なったか…

鴨長明

おほかた、世をのがれ、身を捨てしより、恨むもなく、恐れもなし。命は天運にまかせて、惜しまず、いとわず。身は浮雲になずらへて、頼まず、全しとせず。一期の楽しみは、うたたねの枕の上にきはまり、生涯の望みは、折り折りの美景に残れり。 『方丈記』 …

テンプル・グランディン

人間が大きな前頭葉をもつためにはらった代償は鈍感になったことだ。ある意味では自閉症の人や動物は鈍感ではない。めくるめくような大量のこまかい情報を感じているのだ。 脳の新皮質を取りのぞいても、動物は遊ぶ。前頭葉は新皮質の中で決断と責任をつかさ…

佐藤優

ここで筆者が言う反知性主義とは、実証性と客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度を指す。反知性主義には、知識をエリートが独占していることに対する異議申し立てという民主主義的側面もある。 十九世紀末から二十世紀初頭に…

リチャード・アシュクロフト

Life's An OceanToo much commotion, too much emotionDragging me downLiving for today, don't have time to prayReady for the gameTake a line of fickle flame 「Life's An Ocean」/『A Northern Soul』

埴谷雄高

ここにやっと序曲のみまとまったこの作品について、その意図を述べるつもりはない。けれども、この作品が非現実の場所を選んだ理由については一応触れておきたい。開巻冒頭にこの世界にあり得ぬ永久運動の時計台を掲げたのは、nowhere,nobodyの場所から出発…

石黒浩

人間は動物と違って、技術によって進化します。例えば火は強烈な道具で、ヒトが火を使い始めた時点で、サルとの違いが生まれたとも言えます。要するに、人間は道具を持っていることによって人間になっているわけで、ロボットと人間を比べるのは、人間と技術…

萩原朔太郎

自由とは、自分が「自由である」と信ずるところの、一つの幻覚にすぎないのである。 『虚妄の正義』 参照:https://twitter.com/140ijin/status/616256323567529984 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2013/10/26/213358