2007-01-01から1年間の記事一覧

マルティン・ニーメラー

ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった。 ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった。 ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等…

大岡昇平・埴谷雄高

大岡 きみは、転向したことになっているけれど、昭和三十二年の少し前からスターリン批判をやり続けていたわけだな。埴谷 もちろん転向してるわけだ。いわゆる社会革命の重要性というのが非常に小さくなって、人間全体、存在全体を革命しなきゃならないとい…

小林秀雄

この主人公*1は、人間の意識というものを、殆どベルグソンの先駆者の様に考える。意識とは観念と行為との算術的差であって、差が零になった時に本能的行為が現れ、差が極大になった時に、人は、可能的行為の林のなかで道を失う。安全な社会生活の保証人は、…

小林秀雄

悲劇的感情ほどよく自覚された感情はない。一方に人間の弱さや愚かさがある、一方にこれに一顧も与えない必然性の容赦ない動きがある。こう条件が揃ったところで悲劇は起るとは限らぬ。悲劇とは、そういう条件にもかかわらず生きる事だ、気紛れや空想に頼ら…

芥川龍之介

彼は彼自身の現実主義者であることに少しも疑惑を抱いたことはなかった。しかしこう云う彼自身は畢竟理想化した彼自身だった。 (「或理想主義者」/『侏儒の言葉』)

日本人の6割が必ずやること

・風呂場のイスに座る前にイスとケツを濡らす ・とんがりコーンを指にはめる ・バームクーヘンをはがす ・扇風機の前であーーーって言う ・ポッキーのチョコの部分だけを舐めとる ・全校生徒の前でバンド演奏という妄想 ・自分の写メを何度も撮って、自分が…

三島由紀夫

「僕の思念、僕の思想、そんなものはありえないんだ。言葉によって表現されたものは、もうすでに、厳密には僕のものじゃない。僕はその瞬間に、他人とその思想を共有しているんだからね」 「では、表現以前の君だけが君のものだというわけだね」 「それが堕…

T・S・エリオット

ふつうの人が懐疑家だとか無信仰者だとか自称する時はたいていの場合何事でも最後まで考え抜く気持ちのないことをおおい隠すただのポーズである。 (『文芸批評論』)

魯迅

むかし景気のよかったものは、復古を主張し、いま景気のよいものは、現状維持を主張し、まだ景気のよくないものは、革新を主張する。 (『魯迅評論集』)

島崎藤村

明日は、明日はと言ってみたところで、そんな明日はいつまで持っても来やしない。今日はまた、またたく間に通り過ぎる。過去こそ真だ。 (『夜明け前』第二部)

サルトル

じゃ、これが地獄なのか。 こうだとは思わなかった・・・二人ともおぼえているだろう。 硫黄の匂い、火あぶり台、焼き網なんか要るものか。 地獄とは他人のことだ。 (『出口なし』)

吉野寿

選ばれた者だけが理解できる「芸術」。 そんな「お芸術」なら俺には必要無い。 本物の表現は理屈を飛び越えて無条件で胸に迫って来るはずなんだ。選民意識のつまらなさ、滑稽さ。 (「 天沼メガネ節」 http://www.yoshino-seisakujyo.com/meganebushi/2007/0…

谷川俊太郎

人類は小さな球の上で 眠り起きそして働き ときどき火星に仲間を欲しがったりする 火星人は小さな球の上で 何をしてるか 僕は知らない (或はネリリし キルルし ハララしているか) しかしときどきに地球に仲間を欲しがったりする それはまったくたしかなこ…

室生犀星

ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしや うらぶれて異土の乞食(かたゐ)となるとても 帰るところにあるまじや ひとり都のゆふぐれに ふるさとおもひ涙ぐむ そのこころもて 遠きみやこにかへらばや 遠きみやこにかへらばや (「小景…

埴谷雄高

何故書くかという問いに私は容易に答え得ぬ。私にとってその文学は一般から非常にずれた妄想の延長上にあるのだから。けれども、何故妄想するかとさらに問われるならば、私は比較的気が楽になり直ちに答えを返し得る。内的自由の追求――と。 (「何故書くか」…

小林秀雄

俺達は今何処へ行っても政治思想に衝突する。何故うんざりしないのか、うんざりしてはいけないのか。社会の隅々までも行き渡り、誰もこれを疑ってみようとは思わない。ほんの少しでも遠近法を変えて眺めてみ給え。これが、俺達の確実に知っている唯一つの現…

志賀直哉

人間が鳥のように飛び、魚のように水中を行くという事ははたして自然の意志であろうか。こういう無制限な人間の欲望がやがて何かの意味で人間を不幸に導くのではなかろうか。人知におもいあがっている人間はいつかそのためむごい罰をこうむる事があるのでは…

キルケゴール

ほんとうに黙することのできる者だけが、ほんとうに語ることができ、ほんとうに黙することのできるもの者だけが、ほんとうに行動することができる。 (『現代の批判』)

ニーチェ

非論理的なものが人間には必要であり、また非論理的なものから多くの善きものが出てくるという認識は、一人の思想家を絶望させるに足るもののひとつである。非論理的なものは、情念や言語や芸術や宗教や、そして一般に生に価値を与えるすべてのもののなかに…

いろはにほへと

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせすん 色は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず (参考:http://www2.odn.ne.jp/~nihongodeasobo/koni…

芥川龍之介

その代わりに我々人間から見れば、実際また河童のお産ぐらい、おかしいものはありません。現に僕はしばらくたってから、バッグの細君のお産をするところをバッグの小屋へ見物にゆきました。河童もお産をする時には我々人間と同じことです。やはり医者や産婆…

ドストエフスキー

「(前略)彼らに言わせれば、いっさいが≪環境にむしばまれた≫ためなのだ、――それ以外は何も認めない!彼らの大好きな文句だよ!この論でいくと当然、社会がノーマルに組織されたら、たちまちいっさいの犯罪もなくなる、ということになる。抗議の理由がなく…

7つの社会的大罪 (Seven Social Sins)/マハトマ・ガンジー

理念のない政治 (Politics Without Principles) 労働に基づかない富 (Wealth without Work) 良心を伴わない喜び (Pleasure without Conscience) 人格を伴わない知識 (Knowledge without Character) 道徳心を伴わない商い(Commerce without Morality) 人間性…

埴谷雄高

死んだものはもう帰つてこない。 生きてるものは生きてることしか語らない。花田清輝よ。この長い歴史のなかには、組織のなかで凄んでみせる革命家もゐるが、また、組織のそとでのんべんだらりとしてゐる革命家もゐるのだ。何処に? 日向ぼつこをしてゐる樽…

芥川龍之介

兎に角宿命を信ずれば、罪悪なるものの存在しない為に懲罰と云う意味も失われるから、罪人に対する我我の態度は寛大になるのに相違ない。同時に又自由意志を信ずれば責任の観念を生ずる為に、良心の麻痺を免れるから、我我自身に対する我我の態度は厳粛にな…

ランボー

嘗ては、若し俺の記憶が確かならば、俺の生活は宴であった、誰の心も開き、酒という酒は悉く流れ出た宴であった。 或る夜、俺は『美』を膝の上に座らせた。――苦々しい奴だと思った。――俺は思いっ切り毒附いてやった。 俺は正義に対して武装した。 俺は逃げた…

中原中也

人間が不幸になつたのは、最初の反省が不可なかつたのだ。その最初の反省が人間を政治的動物にした。然し、不可なかつたにしろ、政治的動物になるにはなつちまつたんだ。私とは、つまり、そのなるにはなつちまつたことを、決して咎めはしない悲嘆者なんだ。 …

埴谷雄高

人間は何故かくあるかを問うことはできない、とは、永劫の不可能の標識を掲げたいわば存在論ふうな暗い凹型の問いかけである。このような種類の問いかけを大きな特別の括弧にいれておき、自己の社会的存在についてなんらかの凸型の回答を提出し得る灰色の薄…

トム・ヨーク

よりよい適応、よりよい幸福、より高い生産性もっと快適に酒はほどほどにジムで定期的に運動を(週に3回)同僚とは仲良く、時代に遅れず肩の力を抜いてよく食べ(冷凍食品と脂肪は控えて)忍耐強い優良ドライバーにより安全な車(バックシートには笑顔の赤ん…

内田樹

人間の中心に「人間そのもの」――普遍的人間性――というものが宿っているとすれば、それはその人がどんな身分に生れようと、どんな社会的立場にいようと、男であろうと女であろうと、大人であろうと子供であろうと、変わることはないはずです。マルクスはその…