2009-01-01から1年間の記事一覧

埴谷雄高

私個人ついていえば、私は『大審問官』の作者から、文学が一つの形而上学たり得ることを学んだ。そして、その瞬間から彼に睨まれたと言い得る。私は彼の酷しい眼を感ずる。絶えざる彼の監視を私は感ずる。ただその作品を読んだというだけで私は彼への無限の…

ベルクソン

無限の可能性をはらんだ未来の観念が、未来そのものよりも豊饒なのであって、所有よりも希望に、現実よりも夢に、いっそう多くの魅力が見出されるのは、そのためである。

ゲーテ

理論的意味での絶対なものについて、私は敢えて語ろうとは思わない。しかし、現象の中に絶対なものを認めて、それから常に目を離さぬ人は非常に大きな利益をうけるだろうと、主張することはできる。 (「格言と反省」)

小林秀雄

耳もとで誰かがささやく、――何故お前はもっと遠い処に連れて行って貰わないのか。お前の考えている幸福だとか不幸だとか、悲劇だとか喜劇だとか、なんでもいい、お前が何かしらの言葉で呼んでいる人生の片々は、お前がどんなにうまく考え出した形象であろう…

ベストトラック10

1. mogwai 「2 Rights Make 1 Wrong」 [2001] 2. Squarepusher 「Iambic 9 Poetry」 [2004] 3. eastern youth 「踵鳴る」 [2001] 4. Aphex Twin 「Avril 14th」 [2001] 5. Boards Of Canada 「Chromakey Dreamcoat」 [2005] 6. The Chemical Brothers 「Star…

ベストアルバム10

1. Radiohead 『Kid A』 [2000] 2. Various Artist 『極東最前線』 [2000] 3. Coldplay 『Parachutes』 [2000] 4. fOUL 『Husserliana 』 [2001] 5. Number Girl 『SAPPUKEI』 [2000] 6. Primal Scream 『XTRMNTR』 [2000] 7. Tool 『Lateralus』 [2000] 8. …

マルクス

人間は自分自身の歴史を作る。だが、思うままにではない。自分で選んだ環境のもとでではなく、すぐ目の前にある、与えられ持ち越されてきた環境のもとで作るのである。死せるすべての世代の伝統が夢魔のように生けるものの頭脳を押さえつけている。 (『ルイ…

小林秀雄

人の心は問題の解決をいつも追っているかも知れぬが、矛盾の解決によって問題を解決しようとは必ずしも希ってはいない。生活意欲というものは寧ろ問題を矛盾したまま会得しようと希っているし、事実それを日々実行している。この根強い希いが芸術を生み、こ…

埴谷雄高

さて、ところで、政治的立場の自由を主張した私自身の政治的立場は、非政治的であった。私はそんな自身が屡々滑稽になるが、もしこんな表現が許されれば、私は政治的無活動の自由をネガティヴな形で主張したことになる。私の態度は、古きギリシヤの懐疑派の…

ランボー

――ああ、何と寄る辺もない俺の身か。完成へと燃え上る想いの数々を、俺はもうどんな聖像に献(ささ)げても構わない。 ああ、俺の自己抛棄と見事な愛、だが、下界は下界だ。 深きところより、主よ、俺は阿呆だ。 (「地獄の季節」/小林秀雄訳) ※太字=原文…

ヴォルテール

神というものが存在しなかったら、「彼」を創造する必要があろう。 (「書簡」)

パスカル

神が存在するということは不可解であり、神が存在しないということも不可解である。 (『パンセ』)

埴谷雄高

――ところで、生れついてこの方絶えず外部からつき動かされている俺達が自らだけから発した意志、正真正銘の自由意志でおこなえることがこの人生に二つあるが、お前はそれがなんだと思うかね。 ――他のひとつは解りませんけれど、ひとつは古くから決っています…

ドストエフスキー

……やがて人々は、土の中から信じられぬくらいの収穫をひきだし、化学によって有機体を造りだし、わがロシアの社会主義者たちが夢みているように、牛肉が一人一キロずつ行きわたるようになるかもしれぬ。一口に言って、さあ飲め、食え、楽しめというわけだ。…

パスカル

人間とは、一体、何んという怪物であるか。何んという珍奇、妖怪、混沌、何んという矛盾の主、何んという驚異か。万物の審判者にして愚鈍なる蚯蚓(みみず)。真理の受託者にして曖昧と誤謬の泥溝。宇宙の栄光にして廃物。誰がこの縺れを解くだろうか。 無限…

戸坂潤

思想とはあれこれの思想家の頭脳の内にだけ横たわるようなただの観念のことではない。それが一つの社会的勢力として社会的な客観的存在をもち、そして社会の実際問題の解決に参加しようと欲する時、初めて思想というものが成り立つのである。 (『日本イデオ…

2chコピペ

14 ノイズ2(アラバマ州) :2009/10/25(日) 20:47:20.44 id:UrPJs0+q なぜ人を殺しちゃいけないか? 社会学的理由「役割理論によると殺人者という役割になってしまい今後コミュニケーションが不利になるから。」 心理学的理由「道徳的不快感と生理的不快感が生…

ドストエフスキー

人間は良心の自由などという重荷に堪えられる存在ではない。彼らはたえず自分の自由とひきかえにパンを与えてくれる相手を探し求め、その前にひれ伏すことを望んでいるのだ。だからこそ、われわれは彼らを自由の重荷から解放し、パンを与えてやった。今や人…

ドストエフスキー

およそ直情型の人間ないし活動家が行動的であるのは、彼らが愚鈍で視野が狭いからである。[…]彼らは視野が狭いために、手近にある第二義的な原因を本源的な原因ととりちがえ、それでほかの人間より手っとり早く、簡単に、自分の行動の絶対不変の基礎が見つ…

孔子

知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり (『論語』)

レヴィナス

存在することは、存在すること以外のもの全ての不可能性、自己革命以外の一切の革命の不可能性に他ならないのではなかろうか。存在することをも驚かしうる驚異にせよ、技術や魔術による刷新の驚くべき可能性にせよ、この世界の高みに住まう神々の完全性や不…

ボードレール

遂に僕の魂は爆発した。さかしくもこう叫んだ。「何処でもいいのだ! ただそれがこの世の外でさえあるならば!」 (「この世の外へなら何処へでも」/福永武彦訳)

コジェーヴ

人間が人間として客観的に実現されるのは、労働によって、ただ労働によってだけである。人間自身が現実に、客観的に自然的存在者以上のものであり、それと異なったものであるのは人為的対象を作り出した後であり、人間が自己の人間的かつ主観的な実在性を真…

小林秀雄

加納氏の言うトルストイが、芸術によっても思想を通じても果すことの出来なかった人生とは何ぞやという問題の解決を、トルストイの実生活に於ける悲劇が果しているとは一体どういう意味だろう。彼の痛ましい悲劇も、それ自体問題の解決だ、では彼の死もまた…

小林秀雄

実生活を離れて思想はない。しかし、実生活に犠牲を要求しないような思想は、動物の頭に宿っているだけである。社会的秩序とは実生活が、思想に払った犠牲にほかならぬ。その現実性の濃淡は、払った犠牲の深浅に比例する。伝統という言葉が成立するのもそこ…

フローベール

極度に集約された思想は詩に変ずる (小林秀雄「作家の顔」より孫引き)

ラッセル

私が本当に腹からいいたいことは、仕事そのものは立派なことだという信念が、多くの害悪をこの世にもたらしているということと、幸福と繁栄に到る道は、組織的に仕事を減らしていくにあるということである。(中略) だが相当のひまの時間がないと、人生のも…

東浩紀

思想の言葉は、問題を解決し、ひとを納得させるためにあるのではない。それは、新たな問題を提起し、ひとを困惑させるためにこそある。 (東浩紀・大澤真幸『自由を考える』8頁)

ボードレール

「自然」とは一つの神殿 立ち並ぶ柱も生きていて ときおりは 聞きとりにくい言葉を洩らしたりする。 人間がそこを通れば 横切るは象徴の森 森は親しげなまなざしで彼を見守る。 (「万物照応」/『悪の華』安藤元雄訳)

鈴木大拙

知性は究極のものではなく、己れよりも高い何ものかを待って初めて、結果をかまわずに提起した全ての問題の解決を見るに到るのである。もし知性が、混乱の中に新しい秩序をもたらして、はっきりと解決をつけることができるものであったら、アリストテレスな…