2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲーテ

啓示を切望する。新約聖書ほど啓示のあふれた書物がまたとあるだろうか。原典をひもといて、その語るところを、ごく素直な気持で好みのドイツ語に訳してみるのはどうだろう。これはどうだ、「初めに言葉ありき」。はやくもこだわってしまうのだが、さて、ど…

団藤重光

法はわれわれにとって所与ではなくて課題である。法は、つねに形成――しかも主体的な形成――の途上にあるといってよい。ファウストは、メフィストフェレスに、「わたしが瞬間にむかって、『止まれ、お前はかくも美しい!』といったら、わたしは滅びてもいい」…

ドミニク・チェン

コンピューターは人間より優れた「秩序ある社会」をつくれるかもしれない。ぼくたちはそろそろ真剣に、このヴィジョンに従うのか否かを、ただ考えるのではなく、決断して行動する必要がある。 計算機と人間の体はまったく異なる存在であるがゆえに、計算機を…

小坂井敏晶

研究のレベルなど、どうでもよい。どうせ人文・社会科学を勉強しても世界の問題は解決しません。自分が少しでも納得するために我々は考える。それ以外のことは誰にもできません。社会を少しでも良くしたい、人々の幸せに貢献したいから哲学を学ぶ、社会学や…

ゲーテ

人間は、努力をする限り、迷うものだ。 『ファウスト』(第一部) 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/06/09/001026

佐々木惣一

政治はもとより憲法に違反してはならぬ。しかも憲法に違反しないのみをもって、直ちに立憲だとはいえない。違憲ではないけれどもしかも非立憲だとすべき場合がある。立憲的政治家たらんとする者は、実にこの点を注意せねばならぬ。違憲とは憲法に違反するこ…

埴谷雄高

――《俺は何か悟ったような気になったぜ。ぷふい! ところでそれは、俺が怖ろしい疑問を見出し得たと云うのみに過ぎないのではないか。》 『不合理ゆえに吾信ず』 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/11/20/232510http://hideasasu.hatenablog…

小室直樹

こうして、終末論をふまえてキリスト教と仏教を比較してみると、とてつもないことに気づく。仏教では、衆生は天上、人間から、地獄に至るまで、六道をぐるぐるぐるぐる回っている。輪廻するというのは罪がある人に限って輪廻する。しかし大概の生き物は罪が…

ゴータマ・シッダールタ

1108 「世人は何によって束縛されているのですか? 世人をあれこれ行動させるものは何ですか? 何を断ずることによって安らぎ(ニルヴァーナ)があると言われるのですか?」 1109 「世人は歓喜に束縛されている。思わくが世人をあれこれ行動させるものである…

魚川祐司

偈(詩)の中でも彼の法は「貪欲に染まり、暗闇に覆われたものには見ることができない」と述べられているが、そのように盲目的に何かを欲望する傾向性をもつからこそ、人々は異性を求め、より豊かな暮らしを求める。そしてその希求が生殖と労働という人間の普…

小林秀雄

正常に考えれば、実行家というものは、みな懐疑派である。精神は、いつも未知な事物に衝突していて、既知の言葉を警戒しているからだ。先ず信ずるから疑う事が出来るのである。与えられた事物には、常に精神の法則を超える何ものかがある。実行という行為に…

パスカル

理性の最後の歩みは、理性を超えるものが無限にあるということを認めることにある。それを知るところまで行かなければ、理性は弱いものでしかない。 ―― 自然的な事物が理性を超えているならば、超自然的な事物については、なんと言ったらいいのだろう。 『パ…

永井均

「(…)争いごとにはなんでも勝ち負けっていうのがあるわけだけど、ここでねじれた関係が生まれることはよくあるんだ。たとえば争いごとを好む人と好まない人との間に生まれる、反目、敵対、つまり争いというのが考えられるね。これはいわば価値をめぐる争い…

中村圭志

宗教的次元を日常的次元から切り離す要素のひとつは功利性です。日常世界は利害関心、損得計算で成り立っている。通常の意識ではどうしてもここを乗り越えることができない。これを乗り越えさせてくれるものとして、日常生よりもいっそう高度な霊妙な働きが…

ジョルジォ・アガンベン

安全保障が国の政治学の中心的な概念となったのは最近のことではなく、近代国家の誕生の時期にまでさかのぼる。ホッブスがすでに、安全性の保障と恐怖を対立させ、人間が社会を構成するのは安全性を保障するためであると指摘していた。しかし安全保障につい…

宮沢賢治

序論 ……われらはいっしょにこれから何を論ずるか…… おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった 近代科学の実証と求道者たちの実験とわれ…

ドストエフスキー

ぼくに必要なのは安らかな境地なんだ。そうとも、人から邪魔されずにいられるためなら、ぼくはいますぐ全世界を一カペーカで売りとばしたっていいと思っている。世界が破滅するのと、このぼくが茶を飲めなくなるのと、どっちを取るかって? 聞かしてやろうか…

福田恆存

ぼくはぼく自身の内部において政治と文学とを截然と区別するやうにつとめてきた。その十年あまりのあひだ、かうしたぼくの心をつねに領してゐたひとつのことばがある。「なんぢらのうちたれか、百匹の羊をもたんに、もしその一匹を失はば、九十九匹を野にお…

ミシェル・ウエルベック

『O嬢の物語』にあるのは、服従です。人間の絶対的な幸福が服従にあるということは、それ以前にこれだけの力を持って表明されたことがなかった。それはすべてを反転させる思想なのです。わたしはこの考えをわたしと同じ宗教を信じる人たちに言ったことはあり…

デモクリトス

あらゆることに無知であってはならないというので、なにもかもすべて知ろうと望んではならない。 廣川洋一『ソクラテス以前の哲学者』(p.337)

正宗白鳥

どの方面においても真実に徹して知り尽くすことは人間の幸福であらうか。今日このさはやかな秋びよりに浸りながら快く生きてゐるのも、あすを知らないためであるともいはれよう。「明日の事を思ひわづらふなかれ。一日の苦労は一日にて足れり」*1といふ聖語…

アラン・グース

無から宇宙の出現を記述する試みは推測の域にとどまっている部分が大きいにしても、科学の領域を拡張する刺激的な営みだ。いつの日か、このプログラムを完了することができたら、宇宙の存在と歴史が、根本的な自然法則で説明できることになる。つまり、物理…

モリッシー

Shyness is nice andShyness can stop youFrom doing all the things in lifeYou'd like to The Smiths - Ask 参考:https://www.youtube.com/watch?v=zoo9Vu1a9bU