正宗白鳥

どの方面においても真実に徹して知り尽くすことは人間の幸福であらうか。今日このさはやかな秋びよりに浸りながら快く生きてゐるのも、あすを知らないためであるともいはれよう。「明日の事を思ひわづらふなかれ。一日の苦労は一日にて足れり」*1といふ聖語も消極的な処世態度であるが、この言葉も意味深長である。

「秋風記」

 

関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/06/25/002033

*1:引用者注:『新約聖書』-マタイによる福音書(マタイ伝)第6章34節