2007-01-19 三島由紀夫 人間 表現 「僕の思念、僕の思想、そんなものはありえないんだ。言葉によって表現されたものは、もうすでに、厳密には僕のものじゃない。僕はその瞬間に、他人とその思想を共有しているんだからね」 「では、表現以前の君だけが君のものだというわけだね」 「それが堕落した世間で言う例の個性というやつだ。ここまで言えばわかるだろう。つまり個性というものは決して存在しないんだ」 (「旅の墓碑銘」)