ランボー

俺の精神よ、気をつけろ。過激な救いにくみするな、鍛錬を積む事だ。――ああ、科学は俺達の眼にはまだるっこい。
――だが、どうやら俺の心は眠っている様だ。
俺の精神が、この瞬間から絶えずはっきりと目覚めていてくれるものとしたら、俺達はやがて真理に行き着くだろうに。真理は俺達を、泣いている天使等をつれて取巻くであろう。……――若し俺の精神がこの瞬間まで目覚めていてくれたものなら、記憶にもないあの昔、俺は邪悪の本能に屈する事はなかっただろうに。……――絶えずはっきり目覚めていてくれたなら、俺は叡智を満身に浴びて泳いだろうに。……
ああ、純潔よ、純潔よ。
俺に純潔の夢を与えたものはこの目覚めの時だ。――精神を通して、人は『神』に至る。


想えば身を裂かれる様な不幸。

「不可能」/『地獄の季節』