2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

エックハルト

まずはじめに、何ものも意志することのない人こそ、貧しき人であるとわたしたちは語るのであるが、この意味を多くの人たちは正しく理解していない。りっぱなことだと思ってはげむ贖罪の行や見かけだけの修練をつんでかえって利己的な我にとらわれているよう…

親鸞

浄土真宗に帰すれども真実の心はありがたし虚仮不実のわが身にて清浄の心もさらになし 「愚禿悲歎述懐」 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/10/17/051814

三木清

親鸞の文章には到るところ懺悔(さんげ)がある。同時にそこには到るところ讃歎がある。懺悔と讃歎と、讃歎と懺悔と、つねに相応じている。自己の告白、懺悔は内面性のしるしである。しかしながら単なる懺悔、讃歎の伴わない懺悔は真の懺悔ではない。懺悔は…

唯円

すべてよろづのことにつけて、往生にはかしこきおもひを具せずして、たゞほれ〲と弥陀の御恩の深重なること、つねにおもひだしまひらすべし。しかれば、念仏もまふされさふろう。これ自然(じねん)なり。わがはからはざるを、自然とまふすなり。これすなわ…

西行

心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ澤の秋の夕ぐれ 『山家集』 参考:視点・論点 「秋の夜長を西行と」

老子

天地は仁ならず、万物をもって芻狗(すうく)と為す。聖人は仁ならず、百姓(ひゃくせい)をもって芻狗と為す。天と地の間は、其れ猶お槖籥(たくやく)のごときか。虚しくして屈きず、動きて愈〻(いよいよ)出ず。多言は数〻(しばしば)窮す、中(盅)を守るに…

ジョン・ロールズ

社会制度の秩序につねに欠陥があるのは、生まれつきの才能も違えば周囲の環境も違うという事態が不公正だからであり、この不公正さが人びとの境遇に必然的に引き継がれてしまうからである、という主張がある。だが、こうした主張を受け入れるべきではない。…

マイケル・サンデル

成功している人びとは、自分の成功がこうした偶然性の影響を受けていることを見逃しがちだ。われわれの多くは幸いなことに、社会が高く評価する資質を何かしらは持っている。たとえば資本主義社会では起業家精神が、官僚主義社会では上司とぶつからずにうま…

ニーチェ

君たちは自分自身を暴力的に支配できるがゆえに――ストア派の哲学とは、自己の暴力的な支配である――、自然も暴力的に支配できると信じこんだのである。しかしストア派の哲学者もまた自然のひとかけらではないだろうか?……しかしこれは古い、永遠の問題だ。た…

スティーブン・ピンカー

暴力に誘われるのは悪しきことと見なされ、だいたいにおいて刑事罰の対象とされるようになったが、この動きは「権利」を求める各種のキャンペーン、つまり公民権、女性の権利、子供の権利、同性愛者の権利、動物の権利などを求めて次々と起こった一連の運動…

平家物語

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。 参考:http://roudoku-heike.seesaa.net/article/78746540.html 関…

芦部信喜

五 立憲主義と現代国家――法の支配 近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目的とするが、この立憲主義思想は法の支配(rule of law)の原理と密接に関連する。 1 法の支配 (中略) 法の支配の内容として重要なもの…

ジョナサン・ハイト

人類は無条件にあらゆる人々を愛するべく設計されている、と信じられるのならとてもすばらしい。しかし進化論的な観点から言えば、そんなことはまずあり得ない。 初期の人類は、部族の道徳マトリックスのもとで生活する能力の有無に基づいて友人やパートナー…

宮本常一

文字に縁のうすい人たちは、自分をまもり、自分のしなければならない事は誠実にはたし、また隣人を愛し、どこかに底ぬけの明るいところを持っており、また共通して時間の観念に乏しかった。とにかく話をしても、一緒に何かをしていても区切のつくという事が…

クリストファー・スタイナー

AI

ゴットフリート・ライプニッツは、同時代を生きたアイザック・ニュートン同様、大変な博学者だった。彼の知識と好奇心は、ヨーロッパ大陸のありとあらゆる事象におよんだ。哲学についてライプニッツは、この世には絶対不変なものが二つ存在すると唱えた――神…

岡倉覚三

(…)道教がアジア人の生活に対してなしたおもな貢献は美学の領域であった。シナの歴史家は道教のことを常に「処世術」と呼んでいる、というのは道教は現在を――われら自身を取り扱うものであるから。われらこそ神と自然の相会うところ、きのうとあすの分かれ…

プロタゴラス

人間はすべてのものの尺度である――あるものについてはあるということの、あらぬものについてはあらぬということの尺度である。 内山勝利訳『ソクラテス以前哲学者断片集』第Ⅴ分冊 強調原文

松尾豊

AI

グーグルは人工知能にネコを認識させる研究を2012年に発表しました。ユーチューブの動画から1000万枚のネコの画像を取り出してコンピュータに入力、処理を繰り返させるというものです。研究では階層が奥にいくにつれて目や耳の認識、人間を含めた「顔」の認…

井筒俊彦

一たん分節されて結晶体となった存在は、もしそのものとして固定的、静止的に見られるならば、分節される以前の本源的存在性を露呈するどころか、逆にそれを自己の結晶した形のかげに隠蔽するものである。このような場所では、人は存在を見ずに、ただ存在の…

勝海舟

夫政府は、全国を鎮撫し、下民を撫育し、全国を富饒し、奸を押、賢を挙、国民其向かふ処を知り、海外に信を失はず、民を水火の中に救ふを以て真の政府と称すべし。 後来天下の大権は、門望と名令に帰せずして必ず正に帰せん、私に帰せずして、公に帰するや必…

ベルクソン

私は哲学をしはじめるやいなや「なぜ自分は存在するのか」と自問する。自分を自分以外の宇宙とつなぐ連帯が呑みこめると、そのとき困難は後しざりしただけなので、つぎに私は「なぜ宇宙は存在するか」を知ろうとする。さらに宇宙を内在もしくは超越的な「原…

國分功一郎

國分:僕は哲学をやってる人間だから大きなことを言いますけれど、「デモクラティック・ラグジュアリー」というのは、最終的には生産と消費の体制全体の変化につながっていかないといけないし、これはそうした変革につながっていくスローガンだと思います。…