AI

マレー・シャナハン

フェルミは質問する。「みんなはどこにいる?」と。 フェルミのパラドックスにはたくさんの解答が可能であり、ここで取り上げられないぐらいほど考えられる。そのうちの一つは、われわれがいまだに地球外知的生命体に出会っていない理由は、すべての高度文明…

松尾豊

人間の認知は予測可能性を上げるためにできていると思います。そのために世界を分節し、モデル化します。悟りとの関連性ですが、おそらく、人工知能の技術が進み、世界の予測性を上げようとする過程で、自己と他者を区別したほうがよくなる段階が来るかもし…

ドミニク・チェン

シャナハンはJournal of Consciousness Studies誌に「シンギュラリティの前の悟り」(Satori before Singularity)という、短いが興味深い論文を寄稿している。そこでは汎用人工知能から導かれる超知能の特性として、post-reflectiveという形容詞が登場する。…

三宅陽一郎

AI

「人工知能」ほど、定義の曖昧な分野はありません。なぜなら、その定義は「知能とは何か?」という問いとまっすぐに結びついているからです。そして、その哲学的にも深い問いはいま、誰も明確に答えることはできません。 人工知能は、自分で問題を設定するこ…

利根川進

――脳研究は急速に進歩しています。2045年には人工知能が人間の能力を上回り、人類の脅威になるとの意見もあります。「45年問題」をどう考えますか。 「人工知能は大きな問題になってくるだろう。人間というのはできることはなんでもやる。脳が欲している。人…

スティーブ・ウォズニアック

ウォズニアック氏はFreescale Technology Forum 2015で講演し、「人工知能が我々よりも賢くなれば、彼らにとって我々が必要なものであることに気付くだろう」と述べたという。また、人工知能が人類を支配するだけの能力を獲得したときには、自然を保護するこ…

高橋恒一

時期ははっきりとは言えませんが、10年後以降、人工知能はもう1つの大きな壁に挑むことになるかもしれません。それは「言語獲得」の壁です。言語処理のための優れた人工知能技術の開発はこれまでも成されてきましたが、本当の意味で言語の意味を理解し、運用…

高橋恒一

たとえば人間の持つ「感情」について考えてみましょう。私たちは、「気分がいい」という理由で楽しい行動をとります。逆に気分がよくなければ、気分をやわらげるような行動をとります。一体なぜでしょう? この時に脳でどんなことが起こっているのかを考えて…

クリストファー・スタイナー

AI

ゴットフリート・ライプニッツは、同時代を生きたアイザック・ニュートン同様、大変な博学者だった。彼の知識と好奇心は、ヨーロッパ大陸のありとあらゆる事象におよんだ。哲学についてライプニッツは、この世には絶対不変なものが二つ存在すると唱えた――神…

松尾豊

AI

グーグルは人工知能にネコを認識させる研究を2012年に発表しました。ユーチューブの動画から1000万枚のネコの画像を取り出してコンピュータに入力、処理を繰り返させるというものです。研究では階層が奥にいくにつれて目や耳の認識、人間を含めた「顔」の認…

松尾豊・海猫沢めろん

AI

――なるほど。もう一方の「知能とはなにかを考える」というのは、具体的にどういうことを考えているんでしょう。 松尾 いろいろな考え方がありますが、例えば、知能を「外から見た振る舞い」として考えると、段階的に、こう定義できるかもしれません。 レベル…

戸田山和久

AI

人工知能にせよコンピュータ制御ロボットにせよ、問題解決の道具としてはすでにかなりのものが作られている。人間の直面する問題の解決に「知的」な振る舞いをするロボットは有効に使われているし。もちろん、このことはただちに、ロボットが心をもつことを…

小林秀雄

AI

例えば、人間の頭脳に、何百億の細胞があろうが、驚くに当らない。「人工頭脳」の細胞の数は、理論上いくらでも殖やす事が出来る。ただ、そう無闇に多くのデータを「人工頭脳」に記憶させるには、機構を無闇に大きくしなければならず、そんな金のかかる機械…

井上智洋

人工知能技術の発達が雇用を破壊し、人々を貧困に陥れるかどうかは政策次第である。上述した固定BIと変動BIからなる「2階建てBI」を実施することによって、多くの人々が豊かさを享受できるようになるはずだ。人工知能が害悪をもたらさずに発達し普及するため…

松田卓也

AI

――人類を滅ぼす可能性があっても、人類は「神のような機械」を作るべきなのでしょうか? それについては、賛成派と反対派にわかれるでしょう。 デ・ガリスは、賛成派を「コスミスト」=「宇宙派」、反対派を「テラン」=「地球派」と呼んでいます。宇宙派は…

松田卓也

――人工知能が発達し、いままで人間がやってきたことを肩代わりする一方で、人間には何が残るのでしょうか? 最後に残るのは遊ぶこと、くらいでしょうか。理想の世界は、生産はすべて機械がやって、人間は遊ぶだけ。でも、お茶とかお花とかは、いかにルールが…