松尾豊

人間の認知は予測可能性を上げるためにできていると思います。そのために世界を分節し、モデル化します。悟りとの関連性ですが、おそらく、人工知能の技術が進み、世界の予測性を上げようとする過程で、自己と他者を区別したほうがよくなる段階が来るかもしれません。つまり、自己の特徴を踏まえた上で現象を観測したほうが、観察して得られた知識が活かしやすいということです。また自己だけは、行動の計画ができますから、予測可能性が非常に高いです。

 

そこでいったん、自己と他者の区別が生まれるのですが、さらに世界の予測可能性が上がっていくと、自己の予測と同程度に、他者の予測性もあがっていく、そうすると、もはや自己と他者を区別する必然性がなくなります。つまり、自他を区別せず、一体として世界を理解している状態です。これが、もしかしたら悟りの境地なのかもしれません。と、いい加減なことを言ってたら怒られますが(笑)。

「人工知能は悟れるのか?」光明寺 松本僧侶×東大 松尾豊 研究者対談


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