有田隆也

人工生命のもっとも基本的な主張は、「生命に代表される複雑なシステムには、バラバラに分解すると見えなくなる本質がある」ということである。もう一歩踏み込むならば、「生命に代表される複雑なシステムにおける複雑さは、システム全体として機能したときに初めて創発するものである」(「創発主義」と呼ぼう)となるだろう。(p.71)

創発現象(構成要素間の相互作用で予期せぬ振る舞いや構造が生じる現象)は、生命システムに限らず、身のまわりのさまざまな複雑な現象のエッセンスではないかと、人工生命あるいは人工生命が中核的部分を構成する複雑系科学の領域では考えられてきた。(p.72-73)

『心はプログラムできるか』

 

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