岡ノ谷一夫

自己意識ができる前に、「心の理論」と「ミラーニューロン」という2つのシステムがあった。最初は他人に心があると仮定して他人の行動をうまく予想することが適応的になりました。次に、他人の心を予想するシステムをミラーニューロンで照り返し、流用することで、自分の心を予測するようになったのではないか。
自分の心は、他者に心を仮定する能力の副産物としてできた。これが、前適応にもとづく心の起源の仮説で、「心の他者起源説」と呼んでいます。(251頁)

言語が、他者に向けた歌から生まれたように、伝えたいと思う自分自身の心さえも、他者との相互作用から生まれてくる。僕は、心が、コミュニケーションが生み出した、最も重要なものなのではないかと考えています。(254頁)

『「つながり」の進化生物学』

 

参照:http://d.hatena.ne.jp/orion-n/20130301

関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2013/12/26/154202