鈴木大拙

分割は知性の性格である。まず主と客を分ける。われと人、自分と世界、心と物、天と地、陰と陽、など、すべて分けることが知性である。主客の分別をつけないと、知識が成立せぬ。知るものと知られるもの――この二元性からわれらの知識が出てきて、それから次へ次へと発展してゆく。哲学も科学も、何もかも、これから出る。個の世界、多の世界を見てゆくのが、西洋思想の特徴である。

『東洋的な見方』