ニーチェ

ストア派は]「自然にしたがって生きよ」と教えたが、君たちはほんとうに生きることを望んでいただろうか?(…)自然は、際限なしに浪費するし、際限なしに無関心であり、意図も顧慮ももたず、憐憫も正義も知らず、豊饒であると同時に不毛であり、同時に不確実である。この無関心こそが力であることを考えてみたまえ。――君たちはどうやってこの無関心にしたがって生きることができるというのか?――生きるとはまさに、この自然とは〈違ったものとして存在しようとすること〉ではないのか。生きるということは、評価すること、選り好みすること、不正であること、限られたものであること、関心をもとうと[違ったものであろうと]欲することではないだろうか?

『善悪の彼岸』

太字=原文傍点

 

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