下條信輔

どうやらヒトには元来、秩序や因果を発見しようとする強い認知傾向があるようです。本来意味やつながりがないとわかっているランダムな出来事や事象にも、意味や因果、あるいは法則を見出そうとする。これは非常に根強い、ヒトの本質的な性向です。

逆にいえば、ヒトは無秩序や、因果関係のなさを嫌うのです。言いかえれば、意味の「真空状態」を嫌うのです。それはたぶん、ほんとうは秩序や意味や因果関係があるときにそれを見落とすことが、生物の生存にとって致命的になりかねないからでしょう。

 『〈意識〉とは何だろうか』

 

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