ゴータマ・シッダールタ

カッチャーヤナよ、この世間の人々は多くは二つの立場に依拠している。それは、すなわち有と無とである。もしも人が正しい智慧をもって世間(世の人々)のあらわれ出ることを如実に観じるならば、世間において無はありえない。また正しい智慧をもって世間の消滅を如実に観じるならば、世間において有はありえない。
カッチャーヤナよ、「あらゆるものがある」というならば、これはひとつの極端である。「あらゆるものがない」というならば、これも第二の極端である。
人格を完成した人は、この両極端説に近づかないで、中〔道〕によって法を説くのである。

『サンユッタ・ニカーヤ』