片山杜秀

丘[朝次郎]によれば、負けるが勝ちとは限らないが、勝ちは必ず負けを孕むのだ。自らを滅ぼすくらいの毒を内に含み込まないと他に優越することもできない。他に優越したものはそのあと自ら滅びる。これが丘の運命論である。

『国の死に方』