長谷部恭男

立憲主義にもとづく憲法――日本国憲法はその典型だが――は、人の生きるべき道や、善き生き方について教えてくれるわけではない。それは、個々人が自ら考え、選びとるべきものである。憲法が教えるのは、多様な生き方が世の中にあるとき、どうすれば、それらの間の平和な共存関係を保つことができるかである。憲法は宗教の代わりにはならない。「人権」や「個人の尊重」もそうである。さまざまな信仰を持つ人々、無信仰を奉ずる人々が共存する術を教えるだけである。

憲法と平和を問いなおす』

 

参考:http://www.bengo4.com/other/1146/1287/n_3210/