一ノ瀬俊也

米軍広報誌Intelligence Bulletinの描いた日本兵たちの多くは「ファナティック」な「超人」などではなく、アメリカ文化が好きで、中には怠け者もいて、宣伝の工夫次第では投降させることもきできるごく平凡な人々である。上下一緒に酒を飲み、行き詰まると全員で「ヤルゾー!」と絶叫することで一体感を保っていた。兵たちは将校の命令通り目標に発砲するのは上手だが、負けが込んで指揮官を失うと狼狽し四散した。それは米軍のプロパガンダに過ぎないという見方もできようが、私はたぶん多くの日本兵はほんとうにそういう人たちだったのだろう、と思っている。その理由は、彼らの直系の子孫たる我々もまた、同じ立場におかれれば同じように行動するだろうと考えるからだ。

日本軍と日本兵