吉川浩満

自然は気まぐれであると同時に厳格である。生存のためのルールがどのようなものになるかは生物にとって運次第の事柄だが、そのルールはつねに厳格に生物の遺伝子(能力)を秤にかけ、ほとんど鉄の法則性をもって犠牲者と生存者を選り分ける。理不尽さとは、この運と遺伝子の絡み合いにつけられた名前だ。生物の歴史を見るときには、その結び目に注目することが決定的に重要なのである。

『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ

 

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