松田卓也

世の中の多くの人、特にインテリと呼ばれる人たちは持続可能社会を目指すべきだと言うのですが、それは不可能です。仏教で諸行無常と言いますが、無常というのは常ならぬこと。社会にせよ何にせよ、上がるか下がるか、栄えるか滅びるか。ずっとコンスタントでいられることはない。持続可能社会は、いま栄えているこの社会を、この先百年も千年も維持したいということですが、それは不可能です。

実際、ローマクラブの計算などさまざまな予測が持続可能社会は実現できないと述べています。エネルギーの問題、そして資源の問題があるためです。現在、日本では原発をどうすべきか議論されていますが、石油や天然ガスはいつかなくなる。多くの人は太陽や風力に幻想をいだいている。『トランセンデンス』でも太陽エネルギーを使っていましたね。

1974年のローマクラブの計算を、2000年までの新しいデータを使って再評価したら、現実にぴったりあったそうです。人口は2030年位がピークで、資源は減る一方。工業生産・サーヴィス、これらは2020年がピーク。もしこれが正しいなら、先進国は現在が文明のピークで、すでに衰退しつつある。2020年のピークは中国・インドなどの新興国も含めたものですからね。

 http://wired.jp/special/transcendence/