リチャード・ドーキンス

自然は残酷なのではなく、非情で冷淡なだけである。これは人間にとっては知らないですませたい最も不快な教訓である。われわれは認める気になれないが、自然の事象には善も悪もなければ、残酷も親切もなく、ただひたすら非情――何の目的意識もなく、あらゆる苦しみに無関心――なのかもしれない。われわれ人間は目的意識が頭から離れない。何を見ても、これは何のためにあるのかと思い、その動機、つまりその目的の背後にあるものはなんだろうと思わずにはいられない。(…)しかし、これはほぼ万人に共通の錯覚である。

『遺伝子の川』

 

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