渡辺政隆

パーカーの新説は、名付けて「光スイッチ説」。生物がそれ以前から太陽光の恩恵を受けていたことは冒頭で触れたとおりだが、生物が太陽光線を視覚信号として本格的に利用し始めたこと、すなわち本格的な「眼」を獲得したのはまさにカンブリア紀初頭のことであり、そのことで世界が一変したというのが「光スイッチ説」の骨子である。俗にいう肉食動物が視覚を獲得したことで食う・食われるの関係が激化し、体を装甲で固める必要性が生じた(まさに軍備拡張競争の開始!)。それがカンブリア紀の爆発的進化を引き起こしたというのである。

『眼の誕生』/訳者あとがき

 

参考:見ぬは極楽知らぬは仏

 

関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/03/15/124418
http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2013/12/03/184939