エピクテートス

哲学の始めを見るがいい、それは人間相互における矛盾の認識であり、矛盾の出て来る根源の探求であり、単に思われるということに対する非難と不信とであり、また思われるということについて、それが正しいかどうかの何か研究であり、また例えば重量の場合に、秤を発見し、曲直の場合に定規を発見するように何か基準を発見することだ。

[ソクラテスは]「どうか(…)定義をしてくれ給え」、などとはいわなかった、それから定義された時にも、「君の定義はよくない。というのは定義が要点にぴったり合わないからだ」 とはいわなかった。これ(定義)は学術的な用語だ、だから素人たち――彼らからわれわれは 離れることのできない関係にある――には厄介でわかり憎い。 (…)われわれはそれら学術的な用語によっては、彼を動かすことは断じてできないのだ。

『人生談義』

 

参照:https://plaza.umin.ac.jp/kodama/world/2004Jun2.html