ランボー

――何も彼もが、原始の国、東洋の思想と叡智とからは結構遠くにあるのではないか。こんなに毒物ばかりが製造されて何が近代だ。
『教会』の人々は言うだろう、「解っている。だが、あなたのおっしゃるのはエデンの事だろう。東洋人達の歴史にはあなたのお為になるものはない」――違いない、俺の夢みたものはエデンの園だ。一体俺の夢にとって古代民族のあの純潔が何を意味する。
今度は哲学者だ、「世界は若くもなければ年寄りでもない、人類が単に場所を変えるだけだ。あなたは西洋にいるが、あなたがあなたの東洋に住むのは御自由だ、どんなに古いところを望もうと――、そこに手際よく住もうと、御自由だ。負けてはいけない」。哲学者、君等は君等で西洋種だ。

「不可能」/『地獄の季節』