2007-01-01 小林秀雄 戦争 文学は平和の為にあるのであって戦争の為にあるのではない。文学者は平和に対してはどんな複雑な態度でもとる事が出来るが、戦争の渦中にあっては、たった一つの態度しかとる事は出来ない。戦いは勝たねばならぬ。そして戦いは勝たねばならぬという様な理論が、文学理論の何処を捜しても見附からぬ事に気附いたら、さっさと文学なぞ止めて了えばよいのである。 (「戦争について」/小林秀雄『小林秀雄全作品10』14項)