清水博

一般に生物自らが情報を獲得することを創造と称しています。生物はどのようにしてこれをおこなっているのでしょうか。情報は、つまるところ、「あれか、これか」の選択を可能にするものです。そして生物はまず、あれもこれもと、可能な状態をとってみて、相互に比較をおこなった後によいほうを採り、悪いほうを捨てるという選択法をとっています。すなわち、私たちが試行錯誤と呼ぶ方法によっています。下等な生物の行動から、人類の創造的な行為まで、この方法が広くとられ、情報の獲得がおこなわれています。

『生命を捉えなおす』