僧璨

性に任ずれば道に合う、逍遥として悩を絶す、
繋念は眞に乖く、昏沈は不好なり、
不好なれば神を労す、何ぞ疎親することを用いん。
一乗に趣かんと欲せば、六塵を惡むこと勿れ、
六塵惡まざれば、還て正覚に同じ。

本来のことに任せてみれば道にかなうものである。逍遙としていれば悩みなんてもともと無いのだ。心配事をしていると本来のことに背いてしまう。だからといってただ静かに坐しているだけではだめだ。好ましくないから精神が疲労してしまう。どうして本来のことから疎だとか密だとか決めつけてしまうのか。本来のこととひとつになろうと思えば、世俗のことを忌み嫌うことはない。世俗のことも忌み嫌わなければ、そこがかえって悟りの境地なのだ。

「信心銘」

 

参照:http://www.shomonji.or.jp/zazen/shinjinmei.pdf(p.9)


関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/05/15/211047
http://hideasasu.hatenablog.com/entry/20100708/1278578654

 

参考:楽天主義 - Wikipedia