小室直樹

空とは有無を超越し、相互依存と同義である。
モデル、仮説、すなわちアリストテレス論理学を用い、絶対の真理の存在を前提に考えられた論理に対し、ナーガールジュナの説いた、すべてを仮のものとする空の発想がまさにこれなのである。
近代の科学が現代にいたりようやくたどり着いた模型(モデル)は、すでに二〇〇〇年近く前に仏教哲学が唱えていた論理でもあったのだ。

『日本人のための宗教原論』(p.277)

 

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