2015-05-20から1日間の記事一覧

森本あんり

本来「反知性主義」は、知性そのものではなくそれに付随する「何か」への反対で、社会の不健全さよりもむしろ健全さを示す指標だった。 知性が欠如しているのではなく、知性の「ふりかえり」が欠如しているのである。知性が知らぬ間に越権行為を働いていない…

大澤真幸

アメリカは世界の中心であり、標準である。しかし同時に、アメリカは例外的で、奇妙な国でもある。最先端の科学技術をもつ国でありながら、素朴なキリスト教信仰が異様に盛んで、進化論に真っ向から反対するグループが政治的影響力をもっていたりする。世俗…

龍樹

〔宇宙においては〕何ものも消滅することなく(不滅)、何ものもあらたに生ずることなく(不生)、何ものも終末あることなく(不断)、何ものも常恒であることなく(不常)、何ものもそれ自身と同一であることなく(不一義)、何ものもそれ自身において分か…

今野晴貴・荻上チキ

荻上 社会運動って、かつては「階級」を前提とした闘争があった。人が生まれながら固定的な役割を押し付けられて、その構造のなかに絡めとられてしまう状況を改善しようという。ただ最近は、人はいつでも、あるタイプの困難に陥ることがありえるという、「生…

ドストエフスキー

《フム……そうだ……すべては人間の手の中にあるのだ、それをみすみす逃してしまうのは、ひとえに臆病のせいなのだ……これはもうわかりきったことだ……ところで、人間がもっともおそれているのは何だろう? 新しい一歩、新しい自分の言葉だ。だからおれはしゃべる…

マルクス・アウレーリウス

外から起ってくる事柄が君の気を散らすというのか。それなら自分に暇を作って、もっと何か善いことをおぼえ、あれこれととりとめもなくなるのをやめなさい。またもう一つの間違いもせぬように気をつけなくてはならない。すなわち活動しすぎて人生につかれて…