M・マノーニ

精神障害児は≪狂人≫のレッテルが自分に貼られていることを知っていて、そのレッテルが彼から自己同一性を奪い、彼の言動にある種の無責任性を与える。……彼の精神病反応は他者と共同でつくられたものだ。つまり自分の≪病状≫の重さがまわりから認められるのを知れば知るほど、ますます彼は自分とかけ離れた人物像を選び、それに≪固執≫する。

(M・マノーニ『反ー精神医学と精神分析』)