東浩紀

思想や文学に社会的に与えられている役割は、そもそもがある種のロマンティシズムの提供だからなんですよ。それを自ら封じ込め、禁じ手だらけでやってきたのがゼロ年代なんだよね。

愛とは何か、家族とは何か、人が生きるとは何か、こういうのはもともと思想や文学が答える問題なんだよね。それが今の批評の語彙ではとことんできなくなっている。その不自由さを、ここ5年くらいずっと感じていたんです。だから、小説を書こうと思ったわけ。

(『思想地図』東浩紀×宇野常寛トークショー -インタビュー)
http://www.cinra.net/interview/2010/01/12/000000.php?page=1