玄侑宗久

禅の弱みでもあるのだが、未来を批評的に観測してどれかを選ばなければならない場合、禅はほとんどその基準を提供してくれない。ただ選んで決断したことに対する覚悟は、また同じように禅的に作ればいいのである。これはつまり、たとえば戦争をすべきかどうか、というような選択的判断には禅は向いていないということだ。禅は戦争になって爆弾に逃げまどう環境になっても、あるいは病気で入院していても、その現状のままになんとか活路を見いだしてしまう「知足」の思考なのだ。

『禅的生活』

 

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