中村元

元来ブッダは仏教外の諸派の説を断または常の見解に堕するものとして排斥したのであるから、かりそめにも仏教徒たるものはけっして断滅と常住との偏見をもつことは立場上許されない。
すなわちいかなる個人存在もまたいかなる事物も永久に存在する(常住)と考えてはならないし、また反対にただ消え失せてしまうだけである(断滅)と考えてもならない。この両方の見解はともに排斥されねばならない。
「不断不常」は仏教徒にとって絶対の真理である。

『龍樹』(p.138-139)

 

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