ナシム・ニコラス・タレブ

憶測を真理だといって掲げるのが楽しいのかもしれない。私たち生まれつきそんなふうにできている。私たちの頭は確率を扱える仕組みになっていない。専門家でもそんな欠陥を抱えているし、専門家だからこそそうだということもある。
(中略)
不確実性を相手に仕事をする者として、科学者の皮をかぶったインチキセールスマンを山ほど見てきた。とくに経済の分野でごそごそやっている連中だ。ランダム性が一番わかっていない連中というのはそういうところで見つかる。(p.10)

科学は言うほど額面どおりに受け止めるものではない、というのがポパーの考えだ。
(中略)
理論のあり方は二つしかない。

 

1.検証が行われ、適切な形で否定(ポパーは反証と呼ぶ)されて、間違っていることがすでにわかっている理論
2.まだ反証が成功していないので、間違っているかどうかはわからないけれど、間違っていることが証明される可能性がある理論

 

理論が正しいことがないのはなぜだろう? 白鳥はすべて白いとわかることは決してないからだ。(p.161)

『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』

 

参照:http://diamond.jp/articles/-/77377

関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/02/05/180319
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20110914/1316012144