2013-09-08から1日間の記事一覧

山本七平

われわれ日本人の世界には原則的に言えば相対化はない。ただ絶対化の対象が無数にあり、従ってある対象を臨在感的に把握しても、その対象が次から次へと変わりうるから、絶対的対象が時間的経過によって相対化できる――ただし、うまくやれば――世界なのである…

山本七平

ではここで、われわれはもう一度、何かを決定し、行動に移すときの原則を振りかえってみよう。それは「『空気』の研究」でのべたとおり、その決定を下すのは「空気」であり、空気が醸成される原理原則は、対象の臨在感的把握である。そして臨在感的把握の原…

ランボー

もう秋か。――それにしても、何故に永遠の太陽を惜しむのか、俺たちはきよらかな光の発見に心ざす身ではないのか、――季節の上に死滅する人々からは遠く離れて。 「別れ」/『地獄の季節』小林秀雄訳

尾崎一雄

少しは不便でもいいから、もっとのんびりさせておいて貰いたい。 「虫も樹も」

井筒俊彦

元来、禅の立場から見ますと、人間はどうも喋りすぎる。つまり生れつきお喋りなのです。 ただし禅の立場からして一番大切なのは、人間がただやたらに喋りたがる性質をもっているという点にあるのではなくて、喋ること、言語を使うことによって知らず知らずの…