2014-05-21から1日間の記事一覧

永井均

「それはよくわかるけど、さっきの欲望と意志の葛藤の話は結局どうなったんだっけ?」「だから、欲望を肉体的で感性的な低次元のもの、意志を精神的で理性的で次元の高いものって考えるのをやめちゃえば、そんな対立なんてないのさ。禁煙してる人の例で言え…

中村元・田辺祥二

人生はすべて楽しいと信じている人にとっては、仏教は無縁であります。しかし、どんな人間でも、苦から無縁であることはできません。というのは苦とは、もともと「思い通りにならないこと」を意味しているからです。人生はすべて思い通りになることはありま…

戸田山和久

この世で行為する現実のエージェントが望むに値する自由は、決定論と矛盾しない。自由なエージェントとは、まず第一に、理由によって行為する。つまり自分にとって良きものを求め避けるべきものを避けるという目的をもって行為する。そして第二に、行為に先…

永井均

「(…)ぼくらはね、ふだん自由って感じを持つことはほとんどないんだ。むしろ逆に、ときどき自由でないって感じの方を持つんだよ。それはね、何かしようと思っても、羽交い絞めにされてたり体が麻痺してたりして、どうしても動けないとか、そういうときに自…

中山元

ニーチェの真理の理論は、真理の概念におけるこの欺瞞性を暴く。系譜学は、真理を絶対的なものとして考えるのではなく、さまざまな力の競合と対立関係の中で成立する〈暴力の帰結〉と考える。ニーチェは真理とは、階級対立の結末であり、人間が他の人間を支…