2015-05-15から1日間の記事一覧

金谷治

『論語』のなかには、調和についての有名な言葉があります。「君子は和して同ぜず、小人は同じて和ぜず」(子路篇)「和而不同」、よく色紙などにも書かれる名言です。和と同とは違う。和はよいけれども、同はつまらない人間のすることだ、というのです。こ…

森三樹三郎

自然を人工に対立させ、人工を拒否して自然を固守するというのは、自然の道として初歩的な段階にすぎない。いわば機械を使って機械に使われないことこそ、真の道であるというのである。だが天地篇(引用者注:『荘子』)の作者のいいたいのは、機械のことだ…

池谷裕二

生きる意味はなんでしょう――大学で教鞭をとっていると、若い学生からそんな問いを受けることがあります。私は決まってこう答えます。「その意味を探すプロセスこそがヒトとして生きる意味ではないでしょうか」と。生きる目的は人によってちがうはずです。い…

池谷裕二

私たちは意識上では極めて自由に行動しているつもりであっても、現実には、本人でさえ自覚できないような行動のクセがあって、知らず知らずに、活動パターンが常同化しています。バラバシ博士らは「ヒトには変化や自発性への強い顔貌があるが、現実の生活は…