池谷裕二
私たちは意識上では極めて自由に行動しているつもりであっても、現実には、本人でさえ自覚できないような行動のクセがあって、知らず知らずに、活動パターンが常同化しています。
バラバシ博士らは「ヒトには変化や自発性への強い顔貌があるが、現実の生活は強い規則性に支配されている」と論文を結んでいます。(p261)
こうした実験からわかるのは、自由意志とは本人の錯覚にすぎず、実際の行動の大部分は環境や刺激によって、あるいは普段の習慣によって決まっているということです。(…)にもかかわらず私たちは「自分で判断した」「自分で解釈した」と自信満々に勘違いしてしまいます。その勘違いこそが、ヒトの思考の落し穴です。(p264)
強調原文
関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/02/05/180319
http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2013/10/25/173304