2014-05-19から1日間の記事一覧

森三樹三郎

(…)万物がそれぞれに存在の根拠をもち、他者の介入を許さないこと、これが自然ということである。この意味での自然は、そのまま自由といいかえてもよい。自由とは、それ自身の内にある根拠にもとづくことであり、他者の介入を許さないことである。 『「無…

下條信輔

「自由な意志」の印象がもっとも妨げられるのは、行動が意識され、その原因が外の世界に、誰にも観察できるかたちで見つかったとき(…) 裏を返せば、「自由な行為」は、もっとも意識にのぼりにくいときに実現します。没頭し、われを忘れているときに。 『意…

石川幹人

意識の役割は、意識が誕生した時点からすでに、「現状の改善」に重きがおかれていた可能性が大です。なぜなら、現状でうまくいっているのならば、下等生物のように意識をもたず、つねに無意識下で行動していたのでもよいことになるからです。私たち人間が意…

池谷裕二

(…)意識を一種の「警告システム」であると考える学者がいます。想定外の事件が生じたときに、意識が生まれ、私たちに知らせるという考え方です。 意識が“意外性”の反映だとしたら、面白い側面が見えてきます。意識が表われたとき、脳は周囲の状況を解釈し…

ヤスパース

(…)世界史の枢軸は紀元前800年から200年の間に発生した精神的過程のうちに存するように思われます。私たちとともに今日に至るまで生きているところの人間が現れたのであります。私たちはこの時代を簡単に《枢軸時代》(Achsenzeit)と呼ぶことができるでし…