ランボー

詩人は、あらゆる感覚の、久しい、際限の無い、合理的な錯乱によって見者となるのである。あらゆる形式の恋愛と苦悩と狂乱。彼は、己れ自身を探求する、己れの裡にある一切の毒を汲み尽くして、その精髄だけを保存する。言いようのない苦悶、――その中で、彼は、全信仰を、超人間的な力の全部を、傾けなければならぬ、その中でこそ、彼は、何人にも増して、偉大な病者、偉大な罪人、偉大な呪われ人、――しかも至高の識者となるのだ!何故なら、彼は、未知に到達するからだ!

(「ポオル・ドゥムニイ宛書簡」)
※太字=原文傍点