2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

小室直樹

人間はともすれば、自分の自由意志で動いているようについ思ってしまう。権威なんかなくても自分の頭だけで生きていけると思うわけですが、社会科学は「それは幻想にすぎない」ということを教えています。人間とは社会的存在であって、本当の意味での「個人…

陶淵明

孟夏 草木長じ 屋を遶りて樹扶疏たり 衆鳥は託する有るを欣び 吾も亦吾が廬を愛す 既に耕しては亦た已に種ゑ 時に還りて我が書を讀む 窮巷は深轍を隔て 頗る故人の車を迴らす 歡言しては春酒を酌み 我が園中の蔬を摘む 微雨東より來り 汎覽す周王の傳 流觀す…

マックス・ウェーバー

学問上の「達成」はつねに新しい「問題提出」を意味する。それは他の仕事によって「打ち破られ」、時代遅れとなることをみずから欲するのである。学問に生きるものはこのことに甘んじなければならない。 『職業としての学問』 参照:https://twitter.com/sek…

shorebird

グリーンはもう一度粘り強くマニュアルモードの功利主義をメタ道徳構築に用いることを進め,現代を生きるための6つのルールを提示して本書を終えている.私の理解を含めて書き直すと以下のようなルールになる. 1.道徳的論争に直面したときに自分の道徳的直…

西谷啓治

自然的生命はそれ自身として無記である。普通に衝動とか欲望とか言われるものも、その大いなる自然的生命の発現として見られる限り、善でも悪でもない。野の百合がソロモンの栄華を凌ぐ花を開くことは百合の功ではなく、ペトロ等が眼倦れて眠入ったことは彼…

阿部修士

本書において彼*1は、社会生活を営む我々人間を取り巻く二種類の問題と、人間に備わった二種類の脳のモードについて説明しながら、自身の道徳哲学の議論を進めていく。 二種類の問題とは「コモンズの悲劇」と「常識的道徳の悲劇」である。コモンズの悲劇とは…

田中美知太郎

なぜ生きているのか、人生の一大事がわかってからおれは生きるなんて言っても間に合わないし、そんなことできるはずはないじゃないか、それはやはり疑いつつ、それに耐えて持続していくものが哲学ではないか。 「人間にとって哲学とは何か」/『プラトンに学…

アーサー・C・クラーク

電子新聞の細かい見出しを見ていて、もうひとつ思いだされることがある。コミュニケーション手段が発達するにつれ、その中身がますますくだらなく、けばけばしく、陰惨に見えてくることだ。事故、犯罪、天災、人災、紛争のきざし、暗い社説──宇宙空間にばら…