2010-01-01から1年間の記事一覧

聖徳太子

一に曰(い)わく、和を以(も)って貴(とうと)しとなし、忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ。人みな党あり、また達(さと)れるもの少なし。ここをもって、あるいは君父(くんぷ)に順(したが)わず、また隣里(りんり)に違(たが)う。しかれども、上(かみ)和(やわ…

平家物語

夢かと思ひなさんとすれば現なり。現かと思へば又夢の如し。

小林秀雄

人の心は経験によって豊富になるが、又貧しい心は経験を貧しくするだろう。 「ドストエフスキイの生活」

西行

世中を捨てて捨てえぬ心地して都離れぬ我身なりけり 世をすつる人はまことにすつるかはすてぬ人こそすつるなりけれ 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/05/15/211047

吉田兼好

つれづれわぶる人は、いかなる心ならん。まぎるる方なく、ただひとりあるのみこそよけれ。世に従へば、心、外の塵に奪はれ て惑ひ易く、人に交れば、言葉、よその聞きに随ひて、さながら、心にあらず。人に戯れ、物に争ひ、一度は恨み、一度は喜ぶ。 その事…

斎藤環

私にはかねてから「社会の成熟度と個人の成熟度は反比例する」という持論がある。成熟社会においては個人のモラトリアム期間が著しく延長され、成熟度は必然的に低下する。経済的豊かさは「就労」や「家族」の生存上の必要性を緩和し、地縁や血縁の希薄化は…

大岡昇平

自衛隊幹部なんかに成り上がった元職業軍人が神聖な日の丸の下に、アメリカ風なお仕着せの兵隊の閲兵なんてやってる光景をみると、胸くそが悪くなる。恥知らずにも程がある。 捕虜収容所では国旗をつくるのは禁ぜられていた。帰還の日が来て、船へ乗るためタ…

芥川龍之介

君は新聞の三面記事などに生活難とか、病苦とか、或は又精神的苦痛とか、いろいろの自殺の動機を発見するであらう。しかし僕の経験によれば、それは動機の全部ではない。のみならず大抵は動機に至る道程を示してゐるだけである。自殺者は大抵レニエの描いた…

チャーチル

民主主義は最悪の制度である。しかしそれよりよい政治制度はない。

ドストエフスキー

もしかしたら、人類がこの地上においてめざしているいっさいの目的もまた、目的達成のためのこの不断のプロセス、いいかえれば、生そのもののなかにこそ含まれているのであって、目的それ自体のなかには存在していないのかもしれない。目的ということなら、…

ハイデガー

経験を積んだひとは、物事がこうであるということを知っているが、なぜそうであるのかということを知らない。

志賀直哉

夢殿の救世観音を見ていると、そこには作者の名のようなものは、全く浮かんでこない。それは作者から遊離した存在なのである。文学の上で、そんな仕事ができるものがあったら、それに自分の名などかぶせようとは思わない。 『座右宝』

戴益

盡日春を尋ねて 春を見ず 杖藜踏み破る 幾重の雲 歸り來りて試みに 梅梢を把って見れば 春は枝頭に在りて 已に十分 「春を探る」 http://is.gd/crvrQ

老子

故に有と無と相い生じ、難と易と相成り、長と短と相い形われ、高と下と相い傾き、音と声と相和し、前と後と相い随う。 是を以って聖人は、無為の事に処り、不言の教えを行なう。 『老子道徳経』

西脇順三郎

やっぱり脳髄は淋しい 実に進歩しない物品である 「体裁のいい景色」

小林秀雄

理想に捕えられ、のたれ死にまで連れて行かれたトルストイは、理想の恐ろしさをよく知っていた。彼の定義に従えば、理想とは達する事の出来ぬものだ、達せられるかも知れぬ様な理想は、理想と呼ぶ様な価値はないのである。 『近代絵画』

トルストイ

幸福な家庭というものは、どれもこれも互いに似たようなものだが、不幸な家庭の不幸は、それぞれ趣きを異にしている。 『アンナ・カレーニナ』

ニーチェ

結局のところ、人間はおのれの欲望を愛して、欲望されたものを愛しているのではない。 「箴言と間奏曲」/『善悪の彼岸』

ランボー

わたしというのは一人の他人です。自分をヴァイオリンと思い込んでいるとうへんぼくなどお生憎さま、皆目知りもしないことについて御託を並べたてる無自覚な連中など糞食え! 『ランボオの手紙』 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/05/29/01…

阿部謹也

(…)「徒然草」の吉田兼好から西鶴、そして漱石に至るまで、わが国の文学の世界はいかに多くを一種の「隠者」に負うてきたことだろう。隠者とは日本の歴史の中では例外的にしか存在しえなかった「個人」にほかならない。日本で「個」のあり方を模索し自覚し…

吉田兼好

あだし野の露消ゆる時なく、鳥部山の煙たちさらでのみ住み果つる習ひならば、いかにもののあはれもなからん。世は定めなきこそいみじけれ。 『徒然草』

小林秀雄

仏教によって養われた自然や人生に対する観照的態度、審美的態度は、意外に深く私達の心に浸透しているのであって、丁度雑踏する群衆の中でふと孤独を感ずる様に、現代の環境のあわただしさの中で、ふと我に還るといった様な時に、私はよく、成る程と合点す…

釈迦

此があれば彼があり、此がなければ彼がない。此が生ずれば彼が生じ、此が滅すれば、彼が滅す。 小部経典『自説経』(1 , 1-3菩提品)参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B8%81%E8%B5%B7 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/04/19/152840

ヘラクレイトス

生と死、覚醒と睡眠、若年と老年は、いずれも同一のものとしてわれわれのうちにある。このものが転化して、かのものとなり、かのものが転化してこのものとなるからだ。 関連:http://hideasasu.hatenablog.com/entry/2015/05/20/220022 http://hideasasu.hat…

アリストテレス

全体とは、部分の総和以上のなにかである

中島敦

人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。 『山月記』

小島毅

歴史は科学ではない。基本的に文学だ。

ホッブス

真偽はことばの属性であって、ものごとの属性ではない。そして、ことばがないところには、真実 truthも虚偽 Falshoodもない。 『リヴァイアサン』

小林秀雄

神の眼には人間の魂は平等だ、という考えは思い附きでもなければ、ドグマでもない。恐らく人心の機微に関する正直な観察の極まるところに現れた発想だったであろう。人間の心ほど多様で複雑なものはない。誰が人の心の不思議を知り得ようか。自分の心さえ知…

孔子

子の曰わく、これを道びくに政を以てし、これを斉(ととの)うるに刑を以てすれば、民免(まぬが)れて恥ずることなし。これを道びくに徳を以てし、こてを斉うるに礼を以てすれば、恥ありて且(か)つ格(ただ)し。 先生がいわれた、「[法制禁令など小手先…